AT（アスレティックトレーナー）

AT（アスレティックトレーナー）とは

ATとはアスレティックトレーナー（Athletic Trainer、以下AT）の略で、スポーツ現場で選手が受傷した際の応急処置や傷害の評価、リハビリテーション、復帰までの手順を管理し、傷害の予防のために働く専門職です。

ATは、スポーツ医学の知識と技術を駆使し、選手の健康管理とパフォーマンス向上に貢献します。

ATの役割と仕事内容

ATの主な役割と仕事内容は以下の通りです。

• 傷害予防: 適切なウォーミングアップ、ストレッチ、トレーニング指導を行い、選手の怪我を予防します。
• 応急処置: 競技中に発生した怪我に対して迅速な応急処置を提供し、選手の安全を確保します。
• リハビリテーション: 怪我を負った選手のリハビリテーション計画を立て、復帰までのプロセスを管理します。
• パフォーマンス向上: トレーニングプログラムの作成や栄養指導を行い、選手のパフォーマンス向上をサポートします。

ATの資格と教育

ATになるためには、専門の教育と資格が必要です。

教育

ATになるためには、認定された教育機関でスポーツ医学、運動科学、リハビリテーション、応急処置などのコースを履修する必要があります。これらのプログラムは、理論的な知識と実践的なスキルを身につけるためのものです。

資格認定

教育を修了した後、資格認定試験を受ける必要があります。

例えば、日本では

• 日本スポーツ協会(旧日本体育協会)認定の公認アスレティックトレーナー（JSPO-AT、旧JASA-AT）
• NPO法人 ジャパン・アスレティック・トレーナーズ協会認定の認定アスレティック･トレーナー（JATAC-ATC）

また、アメリカでは

• 全米アスレティックトレーナーズ協会（NATA）の資格認定委員会（BOC）が公認するアスレティックトレーナー（ATC）の資格（NATA-ATC）

があります。これらの資格を取得することで、正式にATとして活動することができます。

ATの実践的な具体例

ATの実際の現場での活動について具体例を紹介します。

スポーツチームでのAT

プロフェッショナルスポーツチームでは、ATが常駐して選手の健康管理を行います。試合中の応急処置から、日常のトレーニング指導、リハビリテーションまでを担当し、選手の最適なコンディションを維持します。

学校や大学でのAT

学校や大学のスポーツプログラムでも、ATが重要な役割を果たします。学生アスリートの怪我の予防や応急処置、リハビリテーションを行い、学業とスポーツ活動の両立をサポートします。

クリニックでのAT

スポーツクリニックやリハビリテーション施設では、ATが患者の治療と回復を担当します。スポーツ外傷や慢性的な痛みの管理、リハビリテーションプログラムの作成などを行います。

ATのトレンド

ATの分野では、以下のような最新の情報とトレンドが見られます。

• テクノロジーの活用: ウェアラブルデバイスやデジタルツールを活用して、選手のコンディションをリアルタイムでモニタリングし、データに基づくトレーニングやリハビリテーションを提供する技術が進んでいます。
• メンタルヘルスの重要性: 心身の健康をトータルでサポートするために、メンタルヘルスケアの重要性が増しており、ATもその分野において教育と支援を行っています。
• 予防医学の強化: 怪我を未然に防ぐための予防医学が強化されており、ATはその中心的な役割を果たしています。個別の選手に合わせたトレーニングプログラムや生活習慣の指導が重要です。