デング熱
デング熱とは
デング熱(デングねつ)とは、デングウイルスによって引き起こされる急性の熱性感染症です。
主に熱帯・亜熱帯地域で流行していますが、近年では日本を含む温帯地域でも発生が報告されています。この病気は、ウイルスを保有した蚊(主にネッタイシマカやヒトスジシマカ)に刺されることで感染します。
デング熱は、世界保健機関(WHO)によって「顧みられない熱帯病」の一つで、日本では2014年と2019年に国内感染例が確認されています。
感染経路と潜伏期間
デング熱の感染経路は、以下の通りです。
- 感染した蚊に刺されることによる感染
- 感染した母親から胎児への垂直感染(稀)
重要なのは、人から人への直接感染はないということです。つまり、デング熱患者と接触しても、蚊を介さない限り感染することはありません。
感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、通常2〜14日(多くの場合3〜7日)です。この期間は個人差があります。
デング熱の症状と経過
デング熱の症状は、軽症から重症まで幅広く、以下のような特徴があります。
主な症状
- 突然の高熱(38〜40℃)
- 激しい頭痛
- 眼窩痛(目の奥の痛み)
- 関節痛・筋肉痛
- 全身倦怠感
- 発疹(発熱後3〜4日目頃から出現)
- 吐き気・嘔吐
これらの症状は通常、1週間程度で自然に回復します。しかし、中には重症化するケースもあり、注意が必要です。
デング熱は、英語では「break bone fever(骨折り熱)」とも呼ばれています。これは、激しい関節痛や筋肉痛のために、骨が折れるような痛みを感じることに由来しています。
重症化のリスク
デング熱患者の一部(1~5%)は、デング出血熱やデングショック症候群といった重症型に進行することがあります。重症化のリスク因子には以下のようなものがあります。
- 過去にデング熱の罹患歴がある場合
- 乳幼児や高齢者
- 基礎疾患(糖尿病、高血圧など)を持つ人
- 妊婦
デング熱の予防
デング熱を予防するには、蚊に刺されないことが最も重要です。以下のような対策が効果的です。
- 長袖・長ズボンの着用
- 虫除け剤(DEET含有)の使用
- 蚊帳の使用
- 室内での殺虫剤の使用
- 蚊の繁殖場所(水たまりなど)の除去
また、デング熱の流行地域に渡航する際は、現地の感染状況を事前に確認し、適切な予防措置を講じることが大切です。
デング熱のワクチンについては、一部の国で認可されていますが、日本では現在のところ承認されていません。ワクチンの使用には慎重な検討が必要とされており、特に過去にデング熱の罹患歴がない人への接種には注意が必要です。