POLICE

POLICEとは

POLICE（ポリス）とは、軟部組織の損傷、特に捻挫や筋肉の損傷に対する初期治療のアプローチを指す言葉です。

この用語は、「Protection（保護）」、「Optimal Loading（最適な負荷）」、「Ice（冷却）」、「Compression（圧迫）」、「Elevation（挙上）」の頭文字を取ったものです。これらのステップは、最適な治癒を促進するために、それぞれのフェーズで適切な処置を提供します。

例えば、捻挫をしてしまった際には、患部を守り、最適な負荷をかけて回復をサポートし、炎症を抑えるための冷却と、圧力と挙上を行うことが推奨されます。

Protection（保護）

保護は、怪我を負った直後に重要なステップです。損傷した組織をさらに悪化させないようにするため、まずは患部の動きを制限することが推奨されます。そのために、包帯やスプリントなどを使用し、怪我の悪化を防ぎます。

例えば、サッカーの試合中に足首を捻挫した場合、すぐにプレーを中止して圧迫包帯を巻くなどの手段を講じるとよいでしょう。これにより、不必要な動きを抑え、怪我の悪化を予防します。

Optimal Loading（最適な負荷）

最適な負荷とは、早期から適切なレベルの活動を促進することで、筋力を維持し治癒を促すことを指します。昔の概念であるRICE（Rest, Ice, Compression, Elevation）法が完全な安静を強調していたのに対し、POLICEでは動きを制限する一方で、軽微な運動を取り入れることが重視されています。

この最適負荷の概念は、単に安静にしているよりも早期に機能の回復を促します。個々の回復状況に合わせた運動を計画し、無理のない範囲で進めることが重要です。

Ice（冷却）

冷却は、炎症を抑えるために欠かせない手法です。アイシングを行うと、血管が収縮し、炎症を減少させる効果があります。怪我をした直後から積極的に冷却を行うことで、腫れや痛みを和らげることができます。

ただし、直接皮膚に氷を当て続けると凍傷のリスクがあるため、布で包むなど適切な方法で行うことが大切です。捻挫や筋肉の損傷直後にアイスパックを使用して、15〜20分程度行います。

Compression（圧迫）とElevation（挙上）

圧迫と挙上は、 POLICEプロトコルにおいて相互に作用する要素です。圧迫は、包帯やテープを使って患部に圧力をかけ、むくみや腫れを抑制します。適度に圧迫をかけることで、内出血や腫れの進行を防ぐことができます。

挙上は血液の循環を助けるために重要です。患部を心臓より高く保つことで、患部への血流を緩やかにし、内出血を抑える効果があります。

これらの手法は、より迅速な治癒をサポートするため、特に初期段階では頻繁に行われます。